【新本】内村鑑三研究 その新・旧約聖書註解に関する疑問 クリアランス

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【新本】内村鑑三研究 その新・旧約聖書註解に関する疑問

『内村鑑三研究』-その新・旧約聖書註解に関する疑問-
岩谷 元輝 著
B5判 470p. 2段組・特製布製本・金箔押し・ケース入り
ISBN: 4-900448-12-5

聖書を研究して40年、内村鑑三を研究して30年、著者がその研究成果を世に問う力作の書である。 明治・大正・昭和を通じ、内村を礼讃した書は多数有るが、本書の様に批判的立場で徹底研究された書は皆無と言っても過言ではあるまい。
著者は評論家亀井一郎をして「精緻無比」と言わした内村鑑三の最大著書『聖書註解全集17巻』を克明に当り、その誤りを摘出して、西洋文明の根幹たるキリスト教が如何に間違って内村に解釈され、日本へ紹介されたかを具体例を上げ立証している。著者は次の様に言っている⇒『内村の註解を精読して半生を費した。机に向かうだけの健康と時間のある日で内村の註解を読まなかった日は殆ど無いと言いきれる程までに熟読した。その結果がこの<内村鑑三研究:新・旧約篇>である。内村の聖書解釈の混乱を指摘したこの450頁余りは、従来の日本人の内村に関する「常識」を打ち破る有力な手がかりを提供するものと確信する。何故これ程までに執拗に内村の誤りにこだわるのかと訝る人に何度か出会ったが、何故と問うその問いこそが著者には訝しい。日本人の大部分が抱いている内村観を誤りとしてその訂正を求める著者の主張は、内村が日本文化史上に占めている地位の重要さの故に、そのまま<日本文化史上の書き変えを求める主張>になってゆくのである。明治初年以来の日本が国を挙げて努力してきた西洋文明の輸入は、科学の方面においてこそ十分な成果を得たかも知れぬが、精神文化の面、特に西洋文明の基礎を成すキリスト教において、大きく間違っているのではないか、と著者は疑っている。日本人が内村を偉大なるキリスト教徒として仰ぎ見ているということは、とりもなおさず<日本人がキリスト教を知らない>ということを意味するのではないか 』 と・・・。
本書の著者は内村の註解を評して 『 支離滅裂 』 と言う一方で、『キリスト教の奇跡』を明解な論理で解読し、今まで<難問・疑問>とされて来たキリスト教の神髄を読者諸氏の前に溶解させて行く。近来希に見る力作中の力作である。
最後に著者は次の様に締めくくっている。『内村鑑三研究半生の結論は<内村鑑三、この真赤なニセ物><イエス・キリスト、この驚くべき本モノ>』ということであった。世の常識に逆らうこの結論に対する批評嘲罵は如何にもあれ、著者はこの研究成果に満足している。
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