・ラベルは貼られてオリンせんが、裏板のトップに「OLE BULL」の刻印があり、またｳﾞｧｲｵﾘﾝ内部に「OLE BULL GERMANY」とファイアースタンプの刻印が打たれいています。その横には意味不明ですが鉛筆書きで371という数字が書かれています。製造年月は記載されていませんので良くわかりませんが、その造りや木材の変化から推測するには1910-1940頃の第二次大戦前にドイツで造られた100年前後の経年のモノと考えます。ＯＬＥ ＢＵＬＬの意味はガルネリ・デル・ジュスの晩年の作品をノルウエイの著名なヴァイオリニストのオレ・ブル（1810-1880）が好んで使用していたことから、その名がついたとされています。これはそのOLE BULLをモデルにドイツで製作された1本です。残念ながら工房や作者は不明です。ボディーの造りは明らかにグｱルネリタイプのアーチです。使用の木材は表のスプルースも、裏板のメープルも上質の木目がハッキリと確認できる上質のモノが使われています。ヨーロッパから届いた時点で経年からくるニスの剥がれや汚れが見られましたので一旦表板をはがし、内部の清掃を行った後、内部の状況を確認しています。表板の上部にクラック跡が見受けられましたので薄いパッチ材で完全に修復しています。(写真でご確認ください)。修復後表板を再接着し、オリジナルのアルコールニスで複数回リペイントを行っています。表板をはがした際に表板の厚さを計測しましたが、3.0ｍｍ～3.8mm前後と非常に丁寧に薄く削られ加工されています。・肝心の音については１００年前後の経年からＯＬＤを感じさせるような深めの角の取れた温もりをを感じる響きが聞き取られ、残響音も比較的長く聞こえます。低音域の唸るような響きと高音域も透明感のある透き通った音で響きます。特にＥ線のハイポジ迄シルキーな音で鳴ってくれます。ただ音に関しては人それぞれの感じ方も異なりますので、へたくそで聞きずらい演奏ですが、音源としてYOU TUBEにスケールと2～3曲アップしていますので、関心のある方はコピペの上お聞きください。https://youtu.be/TD9Jdx4OmwU・付属品：ケースは茶色の角型で木製のシッカリしたモノが付属します。弓：付属しません。弦：ナイロン弦の新品を張っています。駒やフィッティング類はオリジナルのモノを調整してそのまま使用しています。重量：５１２ｇサイズ：全長６０２ｍｍ ボディー長３６２ｍｍ アッパー168mm センター109mm ロアー207mm 弦長327mmとほぼ標準です。